ART of culture_西山文化研究所

目黒駅ホームで2次元キャラに萌える

萌え文化は刷り込み済みです

オトコとして2次元の女性キャラを見て、「萌え〜」となる気持ち、アキバ系カルチャーに心酔しているわけではありませんが分かります。
自分も小学生ぐらいころ、ダンバインのシーラ・ラパーナやエルガイムのレッシィに「萌え〜」でしたから(むかしからテキパキしてる女性が好きだったようです、やっぱりMなんですね)。

さらに遡れば、サンライズ系のロボアニメではなくても、まいっちんぐマチコ先生とか、キューティーハニーとか、2次元の女性にドキドキした少年期を経て、現在の私があります。

平たい顔族の化粧

と云う余談はさておき、目黒駅のふたつの看板広告を見ていて、ふと思いました。

日本の男性って、そもそもアニメが流行る前から、2次元的な女性に惹かれてしまうDNAが組み込まれているのではないか、と。
白無垢を着た日本の花嫁の化粧は、水化粧。最近は肌に近いトーンですが、首やうなじまで真っ白に施します。

舞妓さんや芸者さんなら、さらに真っ白。鼻梁や頬のまるみなどまったくわからないほど。陰影がなくなるので、そもそも平たい顔族の日本人の顔は、ますます立体的でなくなり平板になってしまいます。

白無垢の花嫁の顔、舞妓・芸者の顔の脳に残るイメージは、陰影のないツルツルした平面的なものです。逆に目と唇だけが妙に生々しく印象に残っています。
その意味ではアニメのキャラの顔と同じです。

江戸時代のコスプレーヤー

で、そこでまた思いつきました。

江戸時代の浮世絵。昭和で言うところのプロマイドみたいなものですが、どこぞの看板娘や芸者などの美人画は、どれも顔は立体的でなくて、つるんとしています。しかも、似たり寄ったりの顔立ちです。

たった数百年で、日本人の顔って、変わるものなのでしょうか? そんなはずはありません。

木版画ということ、当時の絵画表現、それらを考慮すると、立体的に和紙の上に女性を描くことができなかったと考えた方が自然です。
そして出来上がった美人画に、当時の人は心を奪われたわけです。ここで、面白い現象が起こったと仮定します。現実の女性が美人画に似せる化粧を施していった結果、平たい顔族の真っ白な化粧が、色っぽい、艶っぽいということになったのかもしれません。

実はこれ、現代では起こっている現象なのです。
アニメキャラに扮したコスプレーヤーがまさにそう。

キャラに似せて、カラーコンタクトを入れ、眸が大きく見えるように化粧をし、さらに胸を大きく見せ……。無国籍のアニメキャラそっくりのコスプレーヤーの誕生です(白人コンプレックスの日本人の描くアニメキャラは、どうしても白人がベースとなっていることが多いので、欧米のコスプレヤーの完成度には勝てません)。

というところで、電車がホームに入ってきました。
どうでもいいことですみません。

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