ART of cycling_二輪書

BD-1で東海道五十三次旧道を行く──小田原宿〜箱根宿その3

DAY 1 13:06_七曲がり

茶屋で20分ほどの休憩の後、再スタート……、
したのも束の間、最初のコーナーでさっそく小休止。
美しい桜を撮影するフリをして小休止。
それは、通り過ぎるクルマに乗っている人たちに向けてのアピールです。

チェーンが外れてしまう苦難

箱根の山を登りはじめて初めて気がついたのですが、ペダルを後ろに回すと、チェーンが外れてしまうのです。
もうどうにもペダルを漕げなくて、ちょっと後ろに回すと、ガチャーンっとフロントギアからチェーンが外れてしまい、登りきるまでに3度ほど手を汚す羽目になってしまいました。

当初は、コーナーに辿り着く度に休憩してましたが、そのうちコーナーとコーナーの中途でも1度休憩するようになり、それが2度になり……。

たった1.2kmの距離を登りきるのに、数え切れないくらい小休止してしまいました。
むかしはこれくらい、グイグイ登っていけたのになぁ、というのも、その記憶はまだ10代、そして自転車は18段変速のロードだったから。
いまや四捨五入すると50代、自転車は8段変速の小径車。
条件がどれも悪すぎます。

そのうち、路肩には前日に降った雪がまだ溶けきらず、路面も雪解けの水でウエット状態に。
普通に歩いて押して登れば、早々に七曲がりをクリアできたわけですが、「自分の脚でペダルを漕いで走破すること」という縛りが、この旅を初日から非常に困難にしてしまいました。
とはいえ、困難だからこそ楽しめるわけであって、楽に三条大橋まで行くのなら折りたたみ自転車なんてそもそも選択なんぞしなかったわけです。

休み休みでも、継続すればいつかは七曲がりを登りきる時がやってきます。
ついに七曲がりの最後のコーナーをクリア! ……したときの絶望感と云ったら……。
七曲がりを登りきればもう上り坂は終わりだと勘違いしておりました。
遙か彼方先まで、まだ登り坂が続いています。
心折れそうになったところで、「もうひと踏ん張り!」の元気を与えるキャラメルの秘密──という言葉にすがるようにキャラメルを一粒。
気休めですが、暗示も大切です。

時間をかけ過ぎたヒルクライム

東海道五十三次旧道は、もはや雪山の様相ですが、自転車は通れないので、そのまま県道732号線を登っていきます。

予想以上に時間を費やしてしまい、頭上に広がっていた青空にいつのまにか灰色の雲が広がっていました。
この雲が、この旅最大の試練をもたらすとは、まだこの時は知る由もありませんでした。

注:〈  〉内は交差点名を表します。

東海道五十三次旧道を走破した日程はこちら。

BMW i8で東海道53次を走破したお話はこちら。