ART of foods & drink_おふとりさま

ティーヌン_酸いも辛いも、青春の一杯

オープン当初から通っているラーメン店というのは、我が人生においておそらくティーヌンだけ。
これからオープンしたてのラーメン店にたまたま入り、定期的にその店に通うようになることもあるかもしれません。しかし、青春真っ只中の大学時代から中年になる現在まで、通い続けるラーメン店というのは、ティーヌンをおいて思い当たるお店はないのです。

ティーヌンとの出会いは突然でした。確か、何度か入ったことのあるラーメン店が、ある日タイ国ラーメンのお店に変わっていたのです。
文キャンから高田馬場駅へ歩く途中にあるので、エスニック料理好きとしては、学校帰りに食べずにはいられません。すぐさま入店。

トムヤムクンが、酸っぱ辛いスープだということぐらいは知ってました。「クン」というのがタイ語で「エビ」という意味ということは知りませんでしたけど。とりあえずオーダーしたのは、トムヤムクンラーメンでした。
「パクチー、大盛りにしますか?」という問いかけに、「お願いしまーす」と返答。そう、当時はパクチー大盛りはサービスだったのです。

辛いのはまぁまぁ得意の方で、むしろ辛いものは好きだったはずなのですが、このトムヤムクンラーメンが、容赦なく辛いのです。汗をかきながらようやく完食し、高田馬場駅に向かう途中のコンビニでアイスを購入し、炎上している口の中を鎮火させたのでした。

とにかく強烈に辛い、というのが最初の印象。しかし、辛いものが好きなタチなので、その後に何度か通っているうちに、麺を食べ終わった後のトムヤムスープに白ご飯を入れて雑炊のようにして食べることを教わったりしました。

当時は政府もオススメしていたインディカ米。
残ったスープにインディカ米を投入。

ランチタイムにはトムヤムラーメンとガパオやグリーンカレーとのセットが、お得な価格で食べられるようにもなりました。気がつくと、以前の攻撃的な辛さではなくなっていました。きっと、日本人の舌にあう辛さにチューニングしたのでしょう。しかし、それでトムヤムラーメンの魅力が減ずるどころか、むしろ身近になったのです。大学を卒業するまでに何杯食べたことか。そして、卒業後にも幾度通ったことか。

このタイ国ラーメンというスタイルを確立したティーヌンは、次々と出店していきます。私も表参道や幕張のティーヌンにも何度か入ったことがあります。しかし、なんか違うのです。それは妻も同じでした。数回、表参道のティーヌンに行ってトムヤムラーメンを食べたことがあるのですが、やはり1号店でないと……ダメみたいなのです。

味が大きく変わるということではありません。こと味について言及するならば、学生の頃は1号店でも厨房に入っているスタッフによってバラツキがあると言われてました(さすがに最近はいつも同じだと思いますが)。そうではなくて、なんか落ち着かないのです。雰囲気とかいろいろ。

最近は、妻と二人で2ヶ月に1度くらいのペースで訪れるのがルーティンになりました。どうせ食べるなら、早稲田通りにある1号店がいい、というわけです。オープン当時とは座席などいろいろ変わってしまいましたが、なんだか落ち着く店内なのです。

さて、2ヶ月に一度という頻度なので、いつもトムヤムラーメンになってしまいます。本当はガパオとかいろいろ食べたい……のですが、さすがに炭水化物ダブルは無理。それは妻も同じのようで、二人してトムヤムラーメンかトムヤムクンラーメンを頼んでしまうのです。

通常のパクチー量。足りません。
パクチー追加の図

トムヤムラーメン 780円。
パクチー追加 120円。

麺は麺カタ、麺ヤワなど固さではなく、麺そのものを選ぶシステム。
中華麺、中細米麺、太麺米麺などがありますが、自分はいつも中華麺。
これに有料のパクチーを追加するのが定番。

若い頃妻はよく、「ワセダ卒業の人って、なにかにつけてワセダに集まりたがるよねー」と私のことを笑ってましたが、そんな彼女も気がつくと定期的に西早稲田に通っているという……。

酸いも甘いも(辛いけど)、青春の思い出がいっぱいつまったおふとりさまでした。