ART of cycling_二輪書

旅するBD-1、東海道五十三次を行く◎30_舞坂

BD-1で走破した、東海道五十三次の旅の記録。2018年3月23日〜28日の4泊5日をかけたポタリングの様子を宿場ごとにレポートしています。

DAY 3 15:51_舞坂宿

2018.3.25

吉牛とはなまるうどんという禁断の炭水化物組み合わせランチを食べたばかりとはいえ、すでに3時のおやつの時間を過ぎると、陽の傾きも気になりはじめました。

西日へ向かって直線路を走るのですが、ペースはあがりません。体力的な疲れによるペースダウンではなく、それは向かい風によるもの。遠州のからっ風とよばれているものです。

行く手に突然松並木が現れます。

逆光で眩しい、視界の先まで真っ直ぐに伸びる道に、くろぐろとしたシルエットが覆いかぶさっているのが見えてきます。それが、舞坂の旧東海道松並木です。

見事に整備された舞坂の松並木

道路標識の案内にも書かれるほど、ここの松並木は立派なのです。

松の大きさも言うに及ばず、植えられている間隔も狭く、車道を覆う松のトンネルになっているのです。

旅人に日陰を提供した松並木。
道路を拡張するのではなく、歩道を松並木の外側に設けるというのがいいですね。

車道は当時の道幅なのでしょう、片側一車線でけっして広いとはいえない道幅です。そのかわり、松並木を隔てた歩道が広く、自転車もこちらを走るほうが安全でオススメ。

東海道五十三次の浮世絵がレリーフしてあります、たぶん。すべては確認してませんが。

歩道には、東海道五十三次の浮世絵のレリーフの石碑が等間隔に置かれています。このたぐいの演出はほかでも見られますが、ちょうど真ん中あたりの宿場なので、これまで通過してきた宿場を確認しつつ、これから向かう宿場に思いを馳せるのにちょうどよいでしょう。

徒歩だとひとつずつ眺めながら進むのにちょうどよいですが、自転車だと、そんな余裕はなく、ほぼスルーして先を急ぎます。

とても立派な「舞坂宿」の石碑。平成三年、バブルも終焉のころでしたね。

340本、およそ700mの松並木は、〈新町〉で終わり、東海道旧道は国道1号線をクロスして、そのまま真っすぐ浜名湖に向かって西へ進みます。

新居宿までは、本来は海路でした

西町常夜灯が左に見えたら、浜名湖ももうすぐそこです。

浜名湖に突き当たる、ちょうどかつての渡船場あたりが浮世絵ポイント。

実は舞坂から新居までは東海道旧道は陸路ではありません。約1里(3.9km)の海上を船で渡ったのです。

浜名湖に到着。この渡船場跡あたりが浮世絵ポイントです。

どうして船で渡るようになったのか。

もともと浜名湖は淡水湖だったのですが、1499年の地震で南側の陸地が切れてしまい、湖と海がつながってしまったのです。だから地名は「今切」。

現在は橋でつながっているので、もちろん陸路で新居を目指します。

松並木だと、写真で風の強さは表現できませんが、フェニックスだとそれがよく伝わります。

しかし、ここに来てさらに風が強くなってきました。潮の香りを微かにのせた海からの風は、左から容赦なく身体を押してきます。

遠くに浜名大橋。現在は海路ではなく陸路で次の宿場へ。

車道へ流されないよう気をつけつつ、左手に浜名大橋を遠くに眺めながら西へと進みます。

注:〈  〉内は交差点名を表します。


●GoProからの1枚

東海道旧道は、本来ならばここから海路で。なので新居宿までの陸路は適当に。

ひとつ先の宿場はこちら

ひとつ手前の宿場はこちら

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