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山行に使うバーナーを選んでみました

アメリカを歩いて縦断してみたい

『わたしに会うまでの1600キロ』
『ロング・トレイル!』
この2本の映画を昨年、たまたま同じ時期に機上にて観てしまった。
それが、忘れていたトレッキング熱の再発を促したのは間違いない。

ちなみに、

『わたしに会うまでの1600キロ』
アメリカ西海岸をメキシコ国境からカナダ国境までを貫く、パシフィック・クレスト・トレイル(PCT)が舞台。PCTの全長は約4000km。

『ロング・トレイル!』
アメリカ東部を縦断するアパラチア山脈を通るアパラチアン・トレイル(AT)が舞台。ATの全長は約3500km。

である。

断っておくが、興味があるのは登山ではない。垂直方向ではなく、水平方向の旅である。だからかもしれないが、植村直己さんの著書も、エベレストをはじめとする登山の冒険記より、北極圏を犬ぞりで旅する冒険記の方が好きだ。

2017年夏、さっそく山行に出掛けてみた

40歳の記念に、人生一度は富士山を登頂しておかねばなるまいと思い立ち、16時間ほどで須走から富士山に上り、お鉢巡りをして再び須走に戻ってきた時の体力は、その後の6年間の不健康な生活で、失われてしまった。そこでリハビリを兼ねて2017年夏に向かったのが、丹沢山系の山々。月二回のペースで山行し、30km〜40kmを歩けるまでに回復。しかし、調子に乗って、一眼レフカメラや三脚やらを装備して山行した日は、予定の半分ほどの行程で下山するはめになってしまった。その原因は15kg以上ある荷物にあった。
そこで、装備の見直しと軽量化を真面目に考えてみることにしたのである──つまり、物欲魂が発動したというわけだ。最初に取り組んだのは、お湯を湧かす装置である。

もっとも気軽で実用的_イワタニ カセットガス ジュニア コンパクトバーナー

ここで、これまで使ったバーナーの変遷を。
まず最初に手に入れたのは、10年以上前に購入したイワタニのカセットガス ジュニア コンパクトバーナー。
コンビニで燃料であるカセットガスを手軽に購入できるというのが、最初に購入した理由。
シンプルでデザインもお気に入り。
富士山に登頂した際にも携行。しかし山頂で使ってみたところ、高山用のカセットガスではなかったため、お湯を湧かすのにすごく時間がかかり、やっぱりホワイトガソリンのバーナーでなければと思い立つ。
実測値:330g(カセットガスは別)

もっとも厳しい環境下で頼りになる_SOTO MUKAストーブ

そこで次に手に入れたのが、SOTOのMUKAストーブ。ホワイトガソリンだけでなく自動車のガソリンも使え、災害時にも心強い(ちょうど購入したのが東日本震災後だったこともあり、いざというときのことを想定してしまった)。デザインもメカメカしくて所有欲を満たしてくれる。これが最強にして最後のストーブと思っていたのだが、使ってみると、問題がないこともない。雪の積もった冬山でもすぐにお湯が湧くのはうれしいのだが、燃焼音が勇ましすぎるのである。丹沢あたりの手軽でお気楽な山行で使うには、あまりにもそのサウンドが激しすぎて、周囲の登山者に迷惑を掛けてしまう。静かに自然の中でコーヒーを淹れたいときには、この燃焼音は興醒め。
実測値:395g(ホワイトガソリンとボトルは別)

もっとも軽く、そして静か_EVERNEWチタンアルコールストーブ

そしていきついたのが、EVERNEWのチタンアルコールストーブ。丹沢あたりの標高なら、まず問題ない火力。しかも悪天候の時に山行することはないので、必要にして十分な火力と言えるだろう。ほぼ無音で燃焼し、燃料が切れる際に発するポンッという音が、またたまらなくいい。山のなかで、ひとりで静かにコーヒーを淹れるのにはもってこい。何より、この軽さは右を出るモノがない。チタン製のため、青く焼けた跡がマニア心をくすぐる。チタン製マフラーも、焼け具合がやはり気になるものだ。
実測値:40g(アルコールは別)

軽量化は、クルマだけでなく二足旅においても非常に大切な命題。しかし実はそれは、装備だけでなく私の体重にも言えることなのだけれども……。

どれか1台といわれたら、これで間違いないです。
本格的な登山にはこれで。
軽さを選ぶなら断然これ!
自転車旅にもばっちりです。
アルコールストーブには、これが必需品です。
アルコールは、小分けにして山行すると良いでしょう。

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