ART of foods_おふとりさま

Pizza Big_極めて個人主義なイタリア人

ミラノのおいしいピザ屋さん

ミラノに深夜まで開いていて、気軽に立ち寄れるということで、なんどか訪れたことのあるピザ屋があります。
場所は、ミラノ中央駅近く。
クルマを店の近くの沿道に停めるのですが、夜ともなるとなかなかちょうどよいスペースが空いていません。

万が一、お店前にスペースが空いていても、ちょっとそこにクルマを停めるのがためらわれます。
なぜなら、Pizza Bigの隣は、セクシーショップなのです。
昼間こそ、シャッターが降りていて気がつきませんが、夜は怪しげな照明でいかがわしさ120%なのです。

無事に近くにクルマを停め、店内へ。
まず、メニューが多すぎて何を選んだら良いのか、ちょっとパニクってしまいます。
いろいろミックスでトッピングされたものよりも、直球勝負の1点オーダー。
それこそが、なんとなく通っぽい。

私がオーダーしたのは、生ハムを載せたものでした。
日本で食べるより、イタリアやスペインで食べる生ハムはどうして美味しく感じるのでしょうか?
空輸している際に、味の鮮度が落ちるせいでしょうか。
そんなことを考えながら生ハムのピザを選んだのでした。

大きさはかなりのもの。
しかし生地が薄い、いわゆるクリスピー系なので、意外とペロリと平らげることができます。

ただし、同じ味だと途中で飽きてしまいます。
それは、いかに美味しい生ハムであっても。

この日は、イタリア人男性2名と、イタリア在住日本人女性1名の合計4名での食事。
ピザ屋に入るには、ベストな人数です。

その理由は、1/4枚ずつ、4つの味を楽しめるということを意味するからです。
均等に切るのも超簡単!

少なくとも日本なら(というか、我が家ならというべきかもしれません)、いろんな味を楽しみ、気がつくと1枚食べ切っていたということになります。

ナスのピザはおいしいけれど……

……が、なんということでしょう!
私以外の3名がオーダーしたのは、すべて同じナスのピザではないですか!

イタリア語ができない私は、まさかそんなオーダーになっているとはつゆしらず。

確かに、ここのナスのピザは美味しい(経験済み)。
もし、日本式に(というか我が家式に)、1/4枚ずつを、それぞれトレードしたら、私のお皿にのるピザは、3/4がナスのピザになってしまうではないですか!
ナスのピザ、そんなに食べたくないんですけど……。

ここで、ハッと気がつきました。
そう、私がいるのは日本ではなく、イタリア。
個人主義の国イタリア(≒勝手な奴が多いイタリア)。
食べたいものを食べる、シェアなんかしないぜ、のイタリア(たぶん)。

もちろん、予想通り全員がシェアなどせず自分のオーダーしたピザだけを食べました。

天井を見上げると、通気口とエアコン吹き出し口がその時の私の気持ちを表現しておりました。

イタリアとの文化の違いをピザで思い知ったおふとりさまでした。

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