BMW i8で走破した、東海道五十三次の旅の記録。2015年11月26日〜29日の3泊4日をかけたドライブの様子を宿場ごとにレポートしています。
day 1 14:25
2015.11.26
“いうなれば本妻”
花水川を渡って500mほど進むと、左手にマクドナルドが見えてきます。
ここならBMW i8を安全に駐車できるし、食事にそれほど時間もかからない、ということで条件反射的にステアリングを左に。
実は、マクドナルドに入ったのには他にも理由がありました。
すぐ先の〈化粧坂〉で道は二手に分かれているのですが、旧東海道はその右手。
地図を見る限り、そのルートの先で東海道本線とクロスしています。
しかしクルマではどうやら渡れそうもありません。
その作戦会議も兼ねていたのです。
食事を済ませて、血糖値も上がったであろう脳で出した答えは、「とりあえず、どうなっているかこの目で確かめる」でした。
そこで、松の木が沿道に点在する旧東海道へ。
300m少し進むと、これは絶対にクルマで抜けるのは無理、という道だったためUターンです。
頭で分かっていても、実際に自分で確かめてみたくなるのが、男という生き物です。
i8は愛人ではなく本妻タイプ
たとえばBMW i8にしても、スペックを見ればなんとなくどんなクルマかは分かるものです。
3気筒エンジンの最高出力は231psだし、モーターの最高出力だって131ps。
システム合計の最高出力は、単純にふたつを足した数値よりも劣る362psしかないのです。
0ー100km/h加速の4.4秒は、昨今のSUVのそれと同じくらいです。
参考までにベンテイガV8のそれは4.5秒。
ドアが上に開くからと云って、ランボルギーニ・アヴェンタドールやマクラーレンのスポーツシリーズなどとは、まったく次元の異なる乗り味であることは、運転する前から分かりきった事実なのです。
それこそ同門のMシリーズともまったく走りのベクトルは違っています。
そんなわけで、BMW i8の見た目にだまされてはいけません。
しかし、この見た目に期待してしまうのも無理もありません。
だって、こんなに近未来のスーパーカーの出で立ちをしているのですから。
実際にi8を新車で購入して、期待していた走りと違ったという理由で、すぐに手放してしまったオーナーも何人かいます
きっと、フェラーリのV8モデルやウラカンなどと同質の刺激を求めたのでしょう。
こればかりは、実際にドライブして納得するより他ありません。
BMW i8は、確かに火傷しそうな刺激は持ち合わせていません。
そのかわり、長く付き合うには、これほどのパートナーもなかなかいないのも事実。
愛人タイプではなく本妻タイプ、というと分かりやすいかもしれません。
この旅で、ジワジワとBMW i8の存在が身体に沁みてきたから、かもしれません。
最初に通る東海道松並木
さて、東海道五十三次の旅は、結局、〈化粧坂〉まで戻って、国道1号線へ。
〈大磯駅入口〉の少し先が大磯宿の本陣があったところ。
東海道は、〈照ヶ崎海岸入口〉で大きく右にカーブして、緩やかなスロープになります。
沿道は、かつての宿場を思わせる建物がちらほら。
そして500m弱続く松並木が、味気ない国道1号線に彩りを添えるのです。
徒歩での旅なら、夏の暑い日など、こうした松並木が旅人に涼をもたらしてくれたことでしょう。
注:〈 〉内は交差点名を表します。
大磯
Oiso
大磯宿は、宿駅伝馬制度の制定とともに最初に宿駅となった所のひとつ。宿の町並みは1.3kmほどで、江戸時代後期で本陣3軒、旅籠66軒があったそうだ。大磯は明治に入ると各界名士の邸宅・別荘が建ち並ぶハイソな地域となった。
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