別に、深夜のラーメンテロを目論んでいるわけではありません
人類は麺類だ、を、合言葉に、日々、麺類の素晴らしさを無償で人類に伝える活動を行なっている私ですが、実はそんな布教活動は世の中をまったく動かしていないばかりか、そもそもそんなことしなくても、麺好きメンズは世の中にごまんといるわけで、イタリア人に向かってワインの講釈をたれているような、まさにそんな感じがしないでもないのである。
それに、COVID-19の影響で外出自粛中に、麺類を食べ歩いている(と思われる)写真をアップしたら、それこそ自粛警察に狩られてしまいそうだ。そもそも、ブログにアップするのは、たいてい数週間後、時には数ヶ月、数年後の気が向いた時にアップすることが常なのだけれども、食べたその日にアップしていると勘違いしている人が多くて、「ニシヤマサン、ソンナニらーめんバッカリタベテルト、カラダニヨクナイヨ」と、助言をいただくこともしばしば。
気が向くときに、頻度高くブログにアップするから、毎日食べていると思われてしまうのだろう。
さて、今回ご紹介するおふとりさまは、2020年2月に訪れたお店、ということを最初に断り書きしておきましょう。最近移籍した会社は若人が多く、そんな麺ズ若人のナビゲートにまかせて入ったお店である。
竹岡式ラーメンは、本家に何度も通っているので、それほど強い興味がそそられたわけではないのだけれど、そういえばその本家たる梅乃家以外の竹岡式とは? ということで、誘われるままに若人に同行した次第なのです。
レモンとラーメンのマリアージュ
梅乃家のラーメンは、乾麺を使っているけれど、こちらでは生麺も用意してあり、どちらでも選べるとのこと。つまり、ご当地竹岡式をトーキョー風にアレンジしてありますよ、というサインである。
ボローニャで食べるボロネーゼと同じ味にはなかなか日本で出会わないけれど、明太パスタは日本の方が美味しいというのと同じで、ここはひとつ、ラブルでアレンジされた竹岡式を食したい。と、思っていたら、ドンピシャのメニューがありました。
レモンラーメン 800円。
竹岡式がベースですが、レモンまるごと1個使用とのこと。
梅乃家ではナマの玉ねぎを増量して、塩っぱさやしつこい味を帳消し、もとい中和させるのだけれども、たしかにレモンだとさらにさっぱり、そして香りもいい、と思ったのかどうかは知りませんが、相性よさそうです。
絶品だった「パクチーレモン」のこともありますし、期待持てます。
その期待は、裏切られないどころか、大正解! 竹岡式は三軒茶屋の地で、洗練されたラーメンへと昇華しておりました。
レモンがどぎつく真っ黒なスープに、さわやか風味をプラスして、見た目的にもなんか健康的。クイッククエンチ・ガムをリアルタイムに体験している年代としては、レモン=スポーツ→健康的、なイメージがあって、身体に悪そうなラーメンが実はすこぶる健康に良いのではないかという、視覚的効果も絶大。
なんか、ビタミンカラーで健康的な雰囲気なのです。真夏の部活の練習の際に食べさせられた、レモンのはちみつ漬け(はちみつレモン)すら思い出されるトッピングです。
……なのですが、さすがにスープを飲み干すことなど出来なくて、どんぶりに浮かぶレモンの量の多さに、ちょっと気が咎めますが、これをはちみつレモンのようにバクバク食べることも、もちろん無理でした……。
レモンは、味の七難隠すスグレモノなのかもしれないと思った、おふとりさまでした。