E30M3で走破した、中山道六十九次の旅の記録。2018年12月11日〜15日の4泊5日をかけたドライブの様子を宿場ごとにレポートしています。
DAY 1 3:47_浦和
2018.12.11
GoProに給電していないという致命的なミス
「中山道ふれあい広場」で撮影を済ませ、E30 M3に乗り込む。目の前の〈錦町三丁目〉の交差点で国道17号線をクロスして、県道79号線へ。
ここで、ひとつ大きなミスを犯してしまった。
GoProをフロントウインドウに固定し(もちろん車内に)、タイムラプス機能を使って道中を撮影していたのだけれど、GoProへの電力供給は、シガーソケットを使っていたのだ。
E30 M3の撮影のためエンジンを切った際に、GoProの電源も一緒にオフになってしまっていたようで、それに気が付かず、そのまま進んでしまったのだ。
ちなみに、本来、E30 M3のシガーソケットからiPhoneなどに充電すると、エンジンをオフにしても充電はそのまま継続してしまう。これだと万が一バッテリーが上がってしまうことも考えられたので、最近のクルマ同様、エンジンオフに合わせてシガーソケットからの電力供給もオフにするように調整してもらっていたのだ。
それにしても、GoProにはバッテリーを入れていたし、そもそもシガーソケットにつないでいたので、GoProのバッテリーが空になることは考えられない。おそらくはシガーソケットに差し込んだUSBソケットの接触が悪く、GoProに電力を供給していなかったのだろう。この当時のBMWのシガーソケットは、最近のものとは形状が少し違うため、うまく固定しない場合が多いことも知っていただけに、初歩的なミスである。
GoProが動作していないことに、桶川宿を過ぎてから気がついたため、その間タイムラプスによる撮影ができなかった。ああ、無念。
それ以降は、持ってきていたバッテリーにGoProはつなぎ、iPhoneの充電をシガーソケットから行うようにした。iPhoneは常時オンにして、中山道の地図アプリをナビ代わりに使っていたのだ。
うずくまるおばさんと一緒に
外環自動車道の高架をくぐり、〈六辻〉で再び17号をクロスして進む。まだ日も昇っておらず、なんの特徴もない景色のなかをひたすら進む。片側1車線のどこにでもありそうな道である。蕨宿から浦和宿までの旧中山道は、クルマで走ることが可能であり、迷うところもない。ただ、延々と普通の町中の道を走っている感覚だ。
夜明け前だからクルマの往来も少ないが、これが日中ならば、自分のペースで気持ちよく走ることは出来ないだろう。だから、日本橋を日付が変わってすぐの時間帯に出立したのだ。はやく、埼玉県を抜けなければ、と、それだけを考えながら走っていた。町が動き出したら、E30 M3を路肩に止めて撮影することも困難になるはずだ。
蕨宿からたったの5km弱しか離れていない浦和宿は、どこで宿場が始まり終わるのか、気が付きそうなものもなかった。徒歩だと、何かしらあったのかもしれないが、夜明け前の暗い道をクルマで走る限りでは、気が付きようがなかったといっていい。
本陣跡や浮世絵ポイントでの撮影は、今回のE30 M3の旅で課してはいなかったけれど、それでも多少は背景を気にしてしまう。編集者の性である。
しかし、撮影ポイントにこだわっていたら、旅は進まない。なるべく旧中山道沿いで簡単に〈証拠写真〉を撮っておきたいのだ。浦和宿の江戸方と京方の距離は、800mほどしかない。ちょうど浦和宿の本陣跡である仲町公園を過ぎたあたりにクルマを停めても大丈夫そうな脇道があったので、そこで撮影することに。
iPhoneの中山道六十九次の地図アプリでは、「ニ七の市跡」とある。二七とは、毎月2日、7日、12日、17日、22日、27日に開かれていた市のことで、六斎市のことだ。
E30 M3を脇道に停めると、その向こう側の路上に、人がうずくまっているではないか。と、見えたのは本当だけれども、本物の人ではなくて銅像であった。近づいてみると女性が芋らしきものを左手に持ち、その女性前にはブロンズ製のかぼちゃまで地面に置かれている。ご丁寧に、それらブロンズ製の彫刻に合わせて路面のブロックも、あまり丁寧とはいえない形にくり抜かれていた。
銅像の横には、「市場通り」と書かれた浦和市が設置したプレートがあるので、きっと、この銅像は、二七の市を記念するものなのだろう。しかし、それにしても地面に直接置かれているので、そのリアリティ感がハンパない。夜が明けたら往来もきっと多い旧中山道の脇に、歩道とはいえこんな銅像が座っていたら、ちょっとびっくりするではないか、というか、私は一瞬ドキッとしてしまった。
確かに、この銅像を台座に据えてしまっては、なんの趣きもないのだけれど……。
と、まあ、撮影するためにE30 M3を停めてクルマから降りると、こうした発見があって、ついつい道草を食ってしまうのである。しかも、隣の宿場までの距離が近いため、運転している時間よりも撮影している時間のほうが長いような気もしてくる。
※注:〈 〉内は、交差点名をさします。
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