gourmet_おふとりさま

ティーヌン_プラマイのプラマイマイでプラ、おふとりさまで不幸せはない!

来たれ! 激辛マニア! というキャッチに誘われ……

数ヶ月に一度の休日のティーヌンランチ、トムヤムラーメン以外のメニューもほぼ制覇してしまっていたので、毎回何を選ぶのかが悩みどころなのです。

しかし、メニューを開いた瞬間、この日のオーダーが決定しました。

激旨辛トムヤムラーメン。900円。

西早稲田にティーヌンが開店したばかりの頃、学校帰りに初めて食べたトムヤムクンラーメンは、それはまあ、辛くて、食べ終わった後に店を出て、すぐ近くのコンビニでアイスを買って、駅まで食べながら歩いたほどでした。

これがタイの辛さなのかぁ〜、と思っていましたが、いつの間にか日本人の味覚にあう辛さにチューニングされていたのでした。

追いパクチーもオーダーしていざ、おふとりさま。

いつもはナンプラーなどを入れて味を整えますが、何も入れずに。というか、なにも入れずとも完璧なコクのある味と辛さ。

たぶん、特製の肉辛味噌というものがコクと辛さを倍増させているのでしょう。通常のトムヤムラーメンにこの肉辛味噌がトッピングされているだけなのか、肉辛味噌を混ぜずにまずは試しに端の方から麺を食べます。

肉辛味噌を混ぜなくとも、いつものトムヤムよりもちょっと旨辛なテイスト。でも辛うじて辛くて食べられないほどでもありません。そんな私に、料理を運んできた店員が、「混ぜて食べてみて」と促します。

仕方がないなぁ、と肉辛味噌をトムヤムスープにまぜまぜする。どんぶり全体がヤバいレッドに変わりました(そもそもヤバそうな色ですが)。

ひさびさに倒し甲斐あるおふとりさま

口に麺を入れてから、「ウマイ!」と感じたのは0.005秒。「これ、ヤバイやつ?」と思ったのは3秒。

ふた口め。「これは時間勝負のやつ」と、判断し、箸を休めずどんどん食べていくことに。辛さが口中に広がってからではおそいのです。そうなると味を堪能するどころではなくて、ただただ痛いだけだから。

というわけで、涼しい顔をしておふとりさま。

……したのはよかったのですが、なんとライスもオーダーしていたのでした。

いつものように、トムヤムスープにライスを投入。スプーンですくうライスは、攻撃的な真っ赤な色をしています。通常のトムヤムラーメンならライスを投入してスープ完食するところなのですが、ライスと一緒に全部飲み干す自信がまったくおきません。

コクが深くて美味しいのですが、ひと口味わうごとに舌をダイレクトに攻撃する辛さが、旨さとトレードオフ。食べている時の幸せ度は、つまりプラスマイナスゼロ。

完食した際に得られる達成感でプラス50。その後に必ずやおとずれる胃腸のトラブルでマイナス100。

結局、激旨辛トムヤムラーメンをおふとりさましても、総体として幸せ度はマイナス、つまり不幸ってわけです。

でもまあ、「あの時食べておけばよかったなー」という後悔が、メニュー選びで迷ったときにはつきもの。その後悔のストレスがないことを鑑みて、幸せなおふとりさまだったということにしておきましょう。たぶん、もう二度と、食べないけどね(と、毎回思っていたからいからいそばも、何度も食べたしなー)。

  • この記事を書いた人

ニシヤマヨシヒコ

大学卒業後、ドキュメンタリー映像の助監督を経て出版業界へ。某建築雑誌の版元で編集技術をマスターし、クルマ系雑誌編集部のある版元へ移籍。その後、版元を渡り歩きながら興味の赴くままにカメラ雑誌、ガレージ雑誌、グラビア誌のほかにBMWやランボルギーニの専門誌などを立ち上げ、2017年までスーパーカー専門誌の編集長を務める。2019年からはWEBマガジンの新規立ちあげならびにリニューアルに編集長として携わり、現在フリーで活動中。日本旅行作家協会会員。

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