E30M3で走破した、中山道六十九次の旅の記録。2018年12月11日〜15日の4泊5日をかけたドライブの様子を宿場ごとにレポートしています。
DAY 1 6:32_鴻巣
2018.12.11
クルマだと撮影もままならない鴻巣
それなのに桶川宿から1時間以上もかかってしまったのは、鴻巣宿でついつい撮影に熱中してしまったから。ひとつの宿場で、最低2カット撮影することをノルマとしていたのだけれども、撮れ高のある宿場では、さらに数カット撮影しておこうという編集者の悲しい性である。
さて、鴻巣宿に到着すると、空も白々と明るくなってきた。配送や配達の車両に加えて、通勤のクルマも増えてくる時間帯だ。アプリが示す鴻巣宿の野口本陣跡あたりにE30M3を停めてしまうと、明らかに交通の邪魔になるため、右手にある有料駐車場の入口付近にクルマを寄せて鴻巣宿の証拠写真を撮影。
数ヶ月後にBD-1で中山道旅をしたときに気がついたのだが、実は本陣跡あたりに鴻巣宿を示す石柱が標柱があったことに、この時はまったく気がつかなかった。クルマと自転車だと、認識できる沿道の情報量もまったく違うのである。
小径車のBD-1は、サイクリングと言うよりポタリングと呼ぶのがピッタリ。周りの景色を楽しみながら走る余裕はある。しかし、これが徒歩ならもっと違う景色が目に入ってくるだろう。
いよいよボディサイズが生きる旧道へ
写真も実は後々、さまざまなことを伝えてくれる。桶川宿でもそうだったのが、この鴻巣宿にも不思議とおもちゃの卸店が背景に映っているのである。
しかし、これには理由があって、鴻巣は雛人形づくりが盛んな町だったのである。江戸中期には着付けは関東一と言われ、鴻巣の雛市は関東三大雛市のひとつであった。E30M3で中山道を走っているときには気にもならなかったことだけれども、旅から戻った後に写真を見て知ることも、実は多かったりする。
さて、旧中山道をクルマで走る場合、次の熊谷宿までのルートで気をつけなければならない箇所がある。〈吹上駅前〉を通過して、次の〈吹上本町〉で左折して昭和の雰囲気が残る店が並ぶ細い道を進むのだけれども、頭上に線路をオーバーパスする陸橋が見えたら、本来はそこで旧中山道は線路の向こう側になってしまう。しかし、クルマだとそこでは線路を渡ることはできないため、300メートルほど進んで左折、踏切を渡る必要がある。
これまで、宿場付近を除くルートは、ほぼほぼ幹線道路だったために、いまいち旅情に溢れる景色は広がっていなかったけれども、いよいよここから道幅も狭く、これぞ旧道という雰囲気に。車幅1675mmというE30M3だからこそ楽しい区間への突入である。
※注:〈 〉内は、交差点名をさします。
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