ART of cycling_二輪書

BD-1で東海道五十三次旧道を行く──掛川宿

DAY 3 9:55_掛川宿

「木を見て森を見ず」という諺がありますが、東海道旧道をなるべく正確にBD-1でトレースしようとそればかりに気が向いてしまうと、沿道の素晴らしいものに気がつかずに通り過ぎてしまうもの。しかも、旧道のルートがちょっとややこしいとなると、さらにその傾向は強まってしまうものです。

そして東海道旧道のたいていの区間が、いまや大通ではなく、むしろ裏道となっています。

無事に小夜の中山〜日坂宿を過ぎ、気温もあがってきたところで、小腹が空いてきました。沿道のどこかにコンビニでもなかろうかと思うのですが、掛川宿あたりもご多分に漏れず、旧道の栄華は遠いむかし。コンビニが沿道に見当たらないのです。

ここの一里塚は、大切に保存されている部類に入ります。

掛川宿に入る手前の葛川一里塚でしばし休憩。Googleマップでコンビニを捜します。
少しルートからそれますが、線路沿いの県道37号線にセブンイレブンがあることを確認。さっそくコンビニにへ直行。
『東海道中膝栗毛』でも、掛川宿でふたりは茶屋で休憩するシーンがあります。コンビニは現代の茶屋と云ったところでしょうか。
ちなみに葛川一里塚は、日本橋から58番目の一里塚。

ポタリング飯が、いつのまにか山行の時と同じ様相に……。ほんとうはもっと名物を食す予定だったのに。

3日目ともなると、コンビニ飯も板についてくるようになります。山行と同じく、エネルギー不足になる前に栄養を補給することがいかに重要か、前日までの経験で痛いほど理解しているので、いつも以上にカロリーを摂取。
ついでに、GoProとiPhoneの充電がうまくいっていないので、ケーブルを新たに買い直し、バッテリーからきちんとチャージされているか確認などし、あと最も重要なトイレも済ませ、1時間近くセブンイレブンに滞在してしまいました。先は長いのに、これはマズイ。

「東海道七曲」の立て看板がなければ、気がつきようのないただの裏道です。

セブンイレブンの駐車場を後にして、東海道五十三次旧道へ戻ります。
戻った先は「七曲り」の入り口です。

七曲りとは、読んで字のごとく、七回折れ曲がる道のこと。
直線の方が効率的であるのですが、あえて非効率にしているのが七曲り。
敵が攻めてきたときに、まっすぐ攻め込まれないよう、あえてくねくねした道にして、敵の侵入を遅らせ、なんなら角で敵を迎え撃つという作戦です。
これは城を作るときのセオリーです。
(小学生の頃、NHKの『大調査熊本城』……だったかな??? という番組のためにクラス全員で出演したときに熊本城で実証済み)
つまり、七曲りという標識を見て、掛川は城下町なんだと気がつくのが普通。
しかし、きちんと東海道旧道の七曲りをトレースしようと、iPhoneの画面に表示されている地図を見ながらペダルを漕いでいたので、ついつい掛川城の姿を拝むことはありませんでした。
もっとも掛川城が平城だから気がつかなかっただけなのですが……。

城下町って、現代の交通事情にはそぐわない町の作りだったりするんですよね。

ちなみに掛川城天守閣は、1994年に復元されたのですが、それが日本初の木造天守閣として復元されたとのこと。

熊本城だけでなく、大阪城、名古屋城といった有名な城の天守閣にはエレベーターが設置されており(つまりSRC造ということ)、昭和な観光地という感じが否めません(消防法その他で木造での再建は無理であったとしても)。

しかし掛川城天守閣の復元は違うのです。
鉄筋コンクリートのハリボテ感を払拭した、まさしくオリジナルと同じ木造。
なんともスバラシイ!
いつか掛川城は一度この目で見てみたいものです。

しかし東海道を旅しているときには、そんなことには考えも及ばす、BD-1で西を目指していました。
実は人生においては、こういうことが日々起こっているんだろうなぁ、なんて。

ちなみに掛川宿の浮世絵ポイントは、七曲りからさらに西へ進んだ倉真川にかかる大池橋となります。

浮世絵と同じ方向からパチリ。

●GoProからの1枚

東海道を歩いている集団には、ちょくちょく遭遇します。

ひとつ手前の宿場はこちら