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ルーカリ ホール ホテル & スパのもうひとりの門番

おばけが出るともっぱらのホテル

ベントレー本社近くの歴史あるホテル。
玄関の扉は開け放たれ、明るい象牙色の美しいベントレーが待っています。
モザイクタイルの床のくぼみが、この玄関を通った人の多さを物語っているようです。


宿泊するホテルの玄関は、入るときも出るときも、いつも気になるもの。

ドアストッパーもおしゃれ

ふと視線を落とすと、背中をはだけた女性が長椅子に横たわっていました。
少しくすんだ象牙色の半裸の女性が、この玄関ドアのストッパー。
露わになった乳房を見せず、背中を向けているところが、どこか奥ゆかしく感じられます。
かつては、どこかの居間に飾られていたかもしれない女神像。
それとも、なにかの装飾の一部だったのでしょうか。
ともかく、むかし城であった古い建物に似つかわしい年季の入ったドアストッパーです。

その横たわる女神に見送られ、ベントレーの助手席に座りカントリロードへ。
甘美的なその乗り味は、すでにホテルの玄関で予感されていたとおりでした。

カントリーロードは、スローでね。

  • この記事を書いた人

ニシヤマヨシヒコ

大学卒業後、ドキュメンタリー映像の助監督を経て出版業界へ。某建築雑誌の版元で編集技術をマスターし、クルマ系雑誌編集部のある版元へ移籍。その後、版元を渡り歩きながら興味の赴くままにカメラ雑誌、ガレージ雑誌、グラビア誌のほかにBMWやランボルギーニの専門誌などを立ち上げ、2017年までスーパーカー専門誌の編集長を務める。2019年からはWEBマガジンの新規立ちあげならびにリニューアルに編集長として携わり、現在フリーで活動中。日本旅行作家協会会員。

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