ART of house _未完箱

モルタルむき出しのリビングをフローリング仕上げに

モルタルむき出しの功罪

未完箱の一階部分の床は、すべてモルタルでした。

ただし、壁や天井だけでなく、床も外断熱されているので、冬場に寒すぎるということはありません。

ただし、リビング部分にはラグを敷いたりして、冬場は足元の暖をとっておりました。
夏場は、素足で歩くと、ひんやりして気持ちよかったんですけどね。

どうしていまさらフローリングを敷いたのか

さて、そんな未完箱の1階部分にフローリングを敷くことになりました。
2年住んでから、今更ながら決意したのには訳があります。

一級建築士でもあった今はなき父が、「お父さんはどうしても1階の床がモルタル剥き出しなのが気になって仕方がない。おまえはそれでいいだろうが、●●ちゃん(妻の名前)が気の毒だ。冬は足元だって寒いだろうに。床にフローリングしないと、死ぬに死ねない」と、ことあるごとに云うのです。

実際、設計段階で父にアドバイスされたことを反映した点がいくつかあるのですが、竣工後、さすが一級建築士、ゼネコンで大きなプロジェクトをいくつも経験してきただけのことはあるなと思ったものです。

そこは、経験者、プロとしての意見を尊重しないといけません。
これは親孝行でもあるのです。

これが本当の古美

……が、せっかく新築なのにリノベしたような趣をもつ未完箱に、普通のフローリングは似合いません。
そこで選んだのが古材。
設計してもらったLDKの担当者から、カフェをリノベした時に古材を使ったことを聞いていたのです。
古材なら、(当時は)安く入手でき、しかも風合いもいい。

かつて、額縁職人を取材した時に、額装する絵画に合わせて額縁も年代物のように古美をつけることを教わりました。
いまでいうエイジング処理です。
しかし、家具などのエイジング処理は、わざとらしさが残ってしまう場合があります。
見る人が見ればわかります。
古材なら、それはわざとではありません。
迷わず古材でフローリングを敷くことにしました。


父は1階全面にフローリングを敷くことを提案してましたが、そこは父の思いと私のこだわりを折半。
リビング部分のみにフローリングすることにしました。
もちろん、施工はプロ任せ。


仕上げは、家族全員で古材に自然由来のリボスを塗りました。
節目や穴、傷、ペンキ跡など、古材ならではの使いこんだ跡があちこちに。
これはこれで味があって気に入っています。

ようやく玄関ができました

そして、いままで未完箱になかった玄関の上り框ができました。
これまでは玄関とリビングの境界線がなかったので、どこで靴を脱いでよいものか曖昧でした。
しかし、意図せず上り框ができたので、ひとあんしん。


余った古材は、大工さんからいただきました。
その古材で何を作ったかは、また次回。

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