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螺旋階段に家族の成長を刻む

大黒柱としての螺旋階段

かつて、日本の家屋には大黒柱がありました。
大黒柱はその家の、というかその家族の象徴のようなものといえます。

柱と言えば、幼い頃の思い出があります。
祖父母の家に正月などに帰省した際、柱に三角定規を使って身長をマーキングされた記憶。

いとこや兄と背比べしたものです。
他愛もない行為ですが、未完箱でこれをやってみたいと思っておりました。

しかし、RC造にはもちろん大黒柱はおろか柱がありません。
その代わり、螺旋階段はあります。

背比べを螺旋階段で

そこで、螺旋階段に息子ふたりの身長をマーキング。

1階の床に古材でフローリングを敷いたことで、計測基準が変わってしまいましたが、そこはご愛敬。

錆止めにとクリアだけを吹いた螺旋階段には、いつしかいい具合に赤錆が浮いてきました。

ちなみに、こんな出荷前に書かれた文字もそのまま残されています。

螺旋階段の部材は、三井物産から仕入れたのでしょう、きっと。

孫の身長を、この螺旋階段に刻んでいきたいと思うのは、ちょっと早すぎですね。

  • この記事を書いた人

ニシヤマヨシヒコ

大学卒業後、ドキュメンタリー映像の助監督を経て出版業界へ。某建築雑誌の版元で編集技術をマスターし、クルマ系雑誌編集部のある版元へ移籍。その後、版元を渡り歩きながら興味の赴くままにカメラ雑誌、ガレージ雑誌、グラビア誌のほかにBMWやランボルギーニの専門誌などを立ち上げ、2017年までスーパーカー専門誌の編集長を務める。2019年からはWEBマガジンの新規立ちあげならびにリニューアルに編集長として携わり、現在フリーで活動中。日本旅行作家協会会員。

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