ART of digital_電脳のまど

SONY PCM-A10を取材用レコーダーに使ってみる

デザインで一目惚れ。SONYタイマーが発動しませんように。

取材にはICレコーダーが必要です

編集者という職業柄、必要最低限の道具というものがあります。私が必要としているのは、次の4つ。

・ペン
・ノート
・カメラ
・ICレコーダー

ペンはこれまでも紹介してきた通り、LAMYサファリのローラーボールを常用しています。

今回はICレコーダーを久しぶりに新調しました。

これまで、ミノルタ製ばかりを使っていました。その理由は価格、故障しないという安心……などありますが、譲れない点がいくつかありました。

それはMacとの相性。ずいぶん昔、SONY製を買ったことがありますが、VAIOとの互換性はよかったのでしょうが、Macでは使い勝手が悪くすぐに知人にあげてしまったことがあります。

そんな過去がありながら、今回購入したのは期待を裏切ってSONY製でした。

私がICレコーダーに求め、これまでの歴代愛機に備わっていた機能は下記の通りです。

編集者として求めるICレコーダーの条件

1)USBでパソコンとすぐにつなぐことができ、かつ充電できること。

2)市販の単4電池が使えること。

3)マイクが使えること。

いまどき、再生スピードや録音環境の設定、保存先をフォルダ分けできるなどはあたりまえ。まあ、外付けでマイクを使えることも当たり前でしょう。

パソコンに直接挿して、データを保存したり充電したり。

SONYのリニアPCMレコーダーPCM-A10は、スライドさせてUSBコネクタがすぐにでてくる仕組み。ひと昔前、この機能だけのためにオリンパス製を使っていたものです。

出張などの際、余分なケーブルを持ち歩かなくて済むのはとても便利。忘れることもありますからね。

次の市販の単4電池が使えるかといえば、実は使うことができません。

これまで使っていた歴代オリンパス製のICレコーダーは、エネループの単4を使っていました。万が一、出先でバッテリー切れになったとしても、アルカリ単4電池ならどこででも手に入れることができるでしょう。リスクヘッジのためにこの縛りを設けていたのです。

しかし、20年近くICレコーダーを使っていて、インタビューなどの取材で電池切れになったことが一度もないのです。

つまり、この要件は不要ということ。

PCM-A10は、DC 3.7V 内蔵リチウムイオン充電式電池ですが、MP3の320kbpsで録音して22時間バッテリーが切れることはありません。
また、Bluetoothで再生しても18時間可能。つまり、一度の取材でバッテリーが切れることはないということです。

オリンパスのLS-P4を却下して、SONYのPCM-A10にした理由

しかし、SONY製にするか、オリンパス製にするか、店頭で非常に悩みました。そもそもオリンパスの同価格帯のものを調べていて、LS-P4を購入するつもりで家電店を訪れたのです。

オリンパス製を手にとってみると、液晶表示や操作性など、これまで使ってきた2機種とほぼおなじ。液晶の小ささとドットの粗さもなんだかな、という感じです。いままで感じていた使い勝手の悪さは、きっとそのまま踏襲されているのでしょう。

そこでどうせ新しく購入するなら、もっと新規感のあるものがいいなと、たまたま手に取ったSONY製の発売されたばかりのレコーダーが、妙に手にしっくりきたのです。

このデザイン、かつて使っていた携帯電話、premini(SO213i)に似ている!

第1の要件、USB接続が即可能という点もクリアしています。
液晶も大きく、フォントもいい感じ。
スイッチ類も凹凸がなく、非常にシンプル。

すっかり惚れ込んでしまいました。

SONY PCM-A10の気に入っている点

録音する際、取材の項目にあわせてフォルダ分けしたいのですが、PCM-A10は、そのフォルダ名も自分で書き換えることができます(パソコン上で)。
これならば、雑誌名でフォルダ分けもでき便利。いままで使っていたものは、フォルダA、B、C……と、予め決められたフォルダ名しか使えなかったのです。

記者発表など、机が用意されているときなどに便利。

さらに、ストロボなどに使っているミニ三脚に固定できるので、シーンによって何かと使えそうです。

いまどき、Bluetoothでペアリングが基本です。

Bluetoothでペアリングして、iPhoneで操作することも可能だし、ヘッドフォンもつなぐことができます。
ヘッドフォンをしてリライトする際、実はコードが煩わしかったのですが、そのストレスからも解放されました。

ショー会場など、歩きながら取材する際には、首からぶら下げられると重宝します。

そしてこれはメーカー推奨の使用方法ではないので、何かあっても保証できませんが、ストラップで首からかけておくことができるのです。
実はこれがもっとも惹かれたポイントだったりします。

録音する音源は、インタビューが主なので、PCM-A10のもてる実力(リニアPCM 96kHz/24bit)は必要ないかもしれません。

狙った音をクリアに録音するズームポジション。ボイスメモやインタビューに最適。
奥行きのある音を録音するX-Yポジション。スタジオでの演奏などに最適。
広がりのある録音をするワイドステレオポジション。ホールでの演奏・講演会に最適

しかしせっかくなので、一度このハイレゾでインタビューを録音して、その違いを体感してみようと思っています。

それにしても、登場したばかりの時に比べると、ずいぶんお手頃な価格になってきたようです。
買うなら今だったなと、ちょっと後悔。

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