ART of foods_おふとりさま

支那そばや こうや_からいからいそば

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本当にすごいやつは、見た目はフツーだ

この夏、山行を復活したせいか、再び自らを追い込む事に喜びを感じ始めたようです。

ふと、これまで通算5回は食べたであろう、あの禁断のおふとりさまに挑んでみようと思ったのです。もう、卒業したはずなのに……。

店員にその名を告げると、「本当に辛いですよ、大丈夫ですか?」と確認されるのも以前と同じ。

「あ、初めてじゃないんで」と、軽く答えましたが、心の中では、「もっと強引に引き止めてくれ、例えば生死に関わりますよ、ぐらい強い語気で!」と、叫んでいる自分もいます。

嗚呼ー! もっと平和に美味しいおふとりさまがラインアップされているのに、「からいからいそば」のオーダーが通ってしまいました。

真っ赤なスープのいかにも辛そうなラーメンは数あれど、真に辛いラーメンは、これくらいそっけないものなのです。

自然界では、毒を持っているカエルなどはそれこそ毒々しい派手な色をして自らをアピールしていますが、そういう類の生物は自ら襲ってくることはありません。

本当にヤバイのは、その存在を消していきなりカブッ! と噛み付くマムシなどです。

からいからいそばは、油断しているといきなりガツンとやられちゃいます。

こうやのスープは、どれも熱々です。ラーメンで美味しくあることの要素のひとつでもありますが、からいからいそばの場合は、この熱さがさらに辛さを攻撃的にします。

まず、立ち昇る湯気を嗅ぐと、その湯気にカプサイシンでも混じっているのか、むせてしまいそうになる程です。

意を決して、麺をひとつかみ。

からいからいそば 1200円。

むせるような辛さ

細麺です。
日本人たるもの、ここはズズズっと麺をすすりたいところですが、そんなことをするとむせてしまいます。

麺はひとつかみずつレンゲに盛り付けて、お上品に口に入れることをお勧めします。

この時、口紅を塗っていない男性も、唇に麺やスープが触れないように注意。

毒にでも触れたように、唇が辛さで痛くなるからです。

具は、豚バラ、イカ、エビ、貝柱といった動物性と、キュウリ、トマト、レタス、赤ピーマン、ネギの植物性に分けられます。

油断ならないのは、動物性の具ではなく、植物性の方。

何しろ熱々のスープに浸かることで熱を帯びたこれらの野菜は、口に入れて噛んだ際にジューシーな汁が口中に勢いよく広がるのですが、それがなんとも痛いのです。

辛さに支配された口中は、ちょっとした熱い刺激に対しても反応するようになっており、キュウリや赤ピーマンが容赦なく攻撃してくるのです。

もっとも手ごわいのはトマト。タネのまわりのゼリー状の物体は非常に危険。

ラーメンは麺と具を完食すればオッケーというマイルールなのですが、麺はともかくとして、たっぷりの野菜を完食することに苦戦。

最後に、スープをレンゲで2、3口すすりますが、その時に丼内のスープをかき混ぜると、辛さの張本人(たぶん青唐辛子の類)が舞い上がってくるのでこれまた注意です。

辛さで気が遠くなるラーメンは、このからいからいそばしか知りません。

食べ終えた後は、いつも体調不良に……(笑)

おふとりさました後は、恒例の腹下しの刑が待っていたのもいつもの通り。

たいていの場合、翌日もなんだかお腹の調子が悪くなって、下半身に力が入らなくなるのです。

どうしてそこまでしておふとりさまするのか、それはひとえに達成感を得るためかもしれません。

からいからいそばを食べ終えた後に残る達成感は、山行で20kmほど歩いたのと同じくらいなのです。

しかし、今回はちょっと判断を過ちました。

というのも、翌日からBD-1での旅が控えていたのでした……。

次は絶対に、わんたん麺か牛もつそばをおふとりさましようと思ったのでした。

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