ART of foods_おふとりさま

ペヤングやきそば 獄激辛_チョコとんを思い出してしまった激辛やきそば

テレビのPR効果って、ほんとすごい

世界には日常的に辛いものを食べている地域・国があります。ということぐらいはなんとなく知ってはいましたが、最近、とあるバラエティ番組で、そうした激辛上等! な国の人たちに、日本の激辛インスタント焼きそばを食べてもらうという内容がありました。

毎回、20人の人々にチャレンジしてもらうのですが、これまで完食した人が最も多い国でも6人という、超激辛の焼きそばです。

激辛好きではありますが、もういい大人なので、無闇に辛さにチャレンジすることはやめようと心に誓っていたのですが、自信満々でチャレンジしては完食できない世界各国の人々の姿をテレビで見るにつけ、「どれだけ辛いんだろう?」という好奇心から「自分なら完食できるかな?」という疑問になり、「俺様なら完食できるぜ!」という自信に変わり、つまり、一度でいいから食べてみたいと思うようになったのでした。

自宅でチャレンジなら、途中でギブアップも可能。痩せ我慢しなくても済みます。というわけで、Amazonでお取り寄せおふとりさま。

100%の辛さでかかってこい!

かやくを入れて熱湯を注いで待つこと3分。湯切りするまでは、スタンダードなペヤング焼きそばと一緒。

ソースを入れるのも、動作としては一緒でしょう。しかし、この一滴一滴が、辛さに直結しているのかと思うと、袋から絞り出すのが躊躇われます。

……が、すべてのソースを麺にかけることで、この「獄激辛」の100%のポテンシャルと対決することになるので、いつも以上に丹念に小袋からソースを絞り出します。この辺りが、Mたる所以なのです。

最初の一口目から、最後の一口まで、同じ辛さにするために、万遍なくソースを麺に絡ませます。すべての麺の「色」が同じになれば、作業は終了です。

香りたつ湯気からは、まだヤバい感じが伝わってきません。これはスープがないせいでしょう。こうやの「からいからいそば」は、湯気だけで危険信号を感じ取ることができますが、獄激辛はそれほどではないのか……。

しかし、ハラペーニョよりも辛そうな唐辛子を、生で食べている人たちが、「辛すぎる〜! こんなに辛いのは生まれて初めてだ!」と、ギブアップしている映像を見ているので、油断は大敵です。

そこで気がついたのですが、テレビで見るよりも、麺の色が濃いではないですか。いつもテレビで見ている時に、焼きそばなのにソースの色が薄いなぁ、と思っていました。きっとその色の薄さが辛さの秘密だと考えていたのです。こうやの「からいからいそば」は、赤くなんてないのに、無茶苦茶辛い。本当に辛いやつは、20年近く前に新宿で食べてノックアウトされたソムタムみたいに、むしろ色味はあっさりしているものなのです。

しかし、目の前の超絶辛いという焼きそばは、見た目が普通のソース焼きそばと大きく変わらないのです。

もしかして、テレビでは完食させるためにソースの量を加減しているのではなかろうかと、勘繰ってしまうほど、色味が違って見えます。

箸でひとつまみする麺量は、かなり少なめにして、唇に麺が直に触れないようにして口の中に麺を運びます。口紅を塗った女性の食べ方、とでも言いましょうか。

しっかりと咀嚼して、胃のなかへ。辛さが後から来るのは、これまでの経験から分かっているので、即座に二口めを。

ただ単に辛いだけでなく、ソースの味もしっかり感じられるのですが、ソースの旨味と辛さがまったく調和していません。別々のものとして舌に感じられ、まったく融合していないのです。つまり、料理としては美味しい部類には入らない味なのです。

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