ART of cycling_二輪書

旅するBD-1、東海道五十三次旧道を行く──大津宿

更新日:

DAY 5 16:52_大津宿

2018.3.27

単独行に憧れる

瀬戸唐橋の欄干は辛子色

瀬戸唐橋を渡ると、もう大津宿に入ったような気分になります。
〈鳥居川〉を右折して、京阪石山坂本線と琵琶湖線をクロスしながら北上。

しばらく琵琶湖は見えない琵琶湖畔をジグザグしながら走ります。クルマだと大津から京都までほんのちょっと。BMW i8で東海道を走破したときは、草津宿に20時頃に到着して撮影、その後、大津宿を下見しながら走って、京都市内に一旦入った経緯があります。

せっかくここまで来たのに、琵琶湖の姿を見ることなく旅は続きます。

再び大津まで戻って、国道1号線沿いのホテルに投宿して、日の出前の朝から大津宿と三条大橋で撮影したのでした。

そんなこともあって、急がなくとも三条大橋までどれくらいで到着できるか、なんとなく距離とそれを走破する時間の感覚が掴めているため、気分的にはゴールしたも同じ。

今回の東海道の自転車旅は、最初の3日間をS兄ィとともに、そしてラストの2日間をひとりで旅しました。

人と一緒の旅も楽しい。自分が関心ないモノやコトを気が付かされることもしばしば。

たとえば、薩埵峠でS兄ィが由比宿で買っておいた柑橘類。自分一人ならば、まったく気にもならず、食べたいとも思わず、まして買うなんてことなかったはず。でも、薩埵峠を登りきって、富士山を眺めながら食べたこの果物の味は、このさきずっと忘れることはないでしょう。薩埵峠を再訪するたびに、この味を思い出すに違いありません。

ひとりよりふたり、ふたりより3人のほうが、より多くの経験を得ることができるのかもしれません。

でも、それは観光旅行に限ってのこと。

植村直己が単独行が得意だったように、自分の自転車旅のスタイルもやっぱり単独行があっていたようです。

一人でペダルを漕いでいると、それは孤独な作業のように思えますが、実はそうではありません。常に、己自身と会話しているのです。

自分を見つめ直す、なんていうとカッコイイのですが……。

ひとりのほうが、自分の奥深いところにある意識と会話ができるのです。人から刺激を受け、新たな情報を得ることも経験としては申し分ありませんが、ひとりで思考の沼の底へ沈潜していくのも、また楽しいのです。

何より、自分の体力に応じて、気兼ねなく旅のスケジュールを変更できるのは、ひとり旅だからこそでしょう。たぶん、次のBD-1の旅は、最初からひとりでスタートするはずです。

そして、次のBD-1の旅では、無理しないで体力が限界のときには、BD-1を降りて躊躇なく押してもよいというキマリゴトにしようと思うのでした。

最後の峠越え……では、ありませんでした

滋賀県庁はちょっと興味がそそられましたが、スルー。
いかにも東海道旧道らしい演出の宿場です。

大津宿の江戸方あたりからは、沿道には連子格子の建物が増えてきます。滋賀県庁を左手に過ぎ、〈中央二丁目南〉を越えると、路面も石畳のように整えられた通りになります。

遠くの山を越えたら京都!

〈京町一丁目南〉で左折。ゆるゆるとした逢坂山の上り坂です。逢坂山を越えたら、もうあとは平坦な道だけ……と、このときは記憶の中で勘違いしておりました。

数え切れないほど通った名神高速をBD-1でくぐる。

勘違いとは恐ろしいもので、これが最後の峠越えだなんて思うと、上り坂さえも愛おしく感じるものなのです。ゆっくり坂道を登りながら、5日間の旅を噛みしめるように思い出しながら進みます。

この旅さいごの押しボタンです。

逢坂山を越える東海道のピーク付近で、旧道は再び右にそれます。押しボタン式の信号で安全に道路を渡ると、京阪京津線を眼下に見下ろすことができます。

逢坂常夜灯が残っています。
京阪京津線を眼下に見下ろす東海道旧道。

東海道の地図アプリを見る限り、この先は行き止まりのような気がしてならないのですが、その行き止まりあたりが浮世絵ポイントなので、坂を下っていくことに。

浮世絵ポイントでパチリ。現在の茶屋は、峠の茶屋という感じではありませんでした。

浮世絵でも茶屋が描かれていますが、現在ある茶屋は鰻で有名のようです。入っていないのでなんとも言えませんが、茶屋というより鰻屋といった感じ。

東海道旧道は歩道橋でそのルートを今に伝えています。

そして、東海道旧道は、ここで歩道橋になるという力技にでました。京阪京津線と国道1号線の開発のための苦肉の策です。これまでも、こうした苦肉の策を講じた場所はいくつも通過してきました。

そして、ここから三条大橋までが、なかなか複雑で大変なルートだったのです。

注:〈  〉内は交差点名を表します。


●GoProからの1枚

大津付近で。自転車は押して通るように標識がありますが、地元民ルールに倣って。

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