撮影できるか否か、それが問題だ
欧州の美術館(と博物館)と日本のそれとの大きな違いはなんでしょう?
来場者がもっとも感じるのは、撮影が可能であるか否か、ではないでしょうか。
(ルーヴルでは撮影可能どころか、模写している人もいます)
大英博物館もルーヴル美術館も、とても有名な観光スポットであります。
来場者数も多いはず。
しかし、混んでいて、人混みをかき分けて目当ての作品にたどり着く……ということ、これまで一度もありませんでした。
マラガのピカソ美術館でもそうでしたし、ボローニャの市立中世美術館でフェルメールの『青いターバンの少女』を見たときは、その部屋に私一人だったと云うラッキーなこともありました。
たまたま時間が良かったのかもしれませんが、日本の美術館に行くときは、体調を整えて気合い入れていかないと、作品に辿り着けません。
来場者密度が高いせいです。
そのせいか、すっかり最近では人気のありそうな展覧会からは足が遠のいてしまっています。
ちなみに、大英博物館では、こうして子供にスケッチさせる母親も。
日本だと、ペンを出しただけで注意されるところも。
スケッチどころか、メモも取れないなんて……。
確か幕張だったと思うのですが、入場待ちのコミケの来場者が、整然と並び、順序よく(あたかもそれはマスゲームのように)入場する動画がありました。
それを見た外国人が、感心したと云うことがありました。
しかし、美術館や博物館の中でのマナーはというと、欧州の方が上、ということでしょうか。
ガラス越しでもなく、柵がなくても、欧州では作品に触れない、傷つけないということが当たり前なのでしょう。
かたや日本では、何をされるか分かったものじゃないということなのです。
コミケや電車には、順序よく並ぶことができるというのにね、不思議。
この意識の違いは何に由来しているのでしょう。
脱線しましたが、日本では撮影も禁止です。
しかし、やはりここは違いました。
岡本太郎美術館。
BD-1でポタリングしている途中に、久しぶりに立ち寄りました。
ちょっと特別展示を見たくなって、ふらふらと入ったのですが、動画撮影もオッケー。
SNSもオッケー。
タローはやっぱりスケールが違うゼ
さすが、フランスに長く滞在し、絵画だけでなく、民俗学を学んでいる岡本太郎の美術館だけはあります。
私自身、岡本太郎の著作はたいてい読破し、作品にも非常に影響を受けています。
もし、岡本太郎美術館が、撮影不可だとしたら、当の本人はどれだけ悲しむだろう、というか憤るだろうと容易に察しがつきます。
そのあたり、美術館を運営している方たちはよく理解なさっているなと、勝手にうれしく感じてしまいました。
どうでもいいことですみません。