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旅するBD-1、甲州街道四十四次の旅_夏休み最後の旅

48歳の夏休みに1泊2日の小旅行

2019年夏休み最後に、甲州街道四十四次旧道をBD-1で走破してきました。

中山道を走破したので、甲州街道は気軽にいつでも走破できそうだと思っていました。

距離も200kmちょっとなので、1泊2日でゴールできそうです。

例によって終電で東京駅まで輪行し、日本橋からスタート。あくまでもうまくいけばという希望でしたが、石和宿に宿泊できれば上出来だと思いながらのスタートです。

交通量の少ないうちに20号線を西へ。

というのも、石和で温泉につかり、2日目の下諏訪までの70kmほどを15時位までに走破して、ふたたび温泉で汗を流す。さっぱりした身体で、あずさに乗って八王子経由で帰宅するというのが理想でした。

府中には早朝の5時には到着。

……が、そう簡単には行かないのがBD-1の旅。

ちなみに、甲州街道四十四次旧道の旅の日程、実走距離は下記の通り。

8月29日 日本橋〜大月宿:108.2km
8月30日 大月宿〜下諏訪宿:122.3km

結局、当初の計画通り、笹子峠の手前の大月で初日は終了。

そして今回のBD-1での旅のルールは下記の通りとしました。

1)なるべくペダルを漕いで走破するが、路面状況や急坂の場合はこの限りではない。
2)下り坂ではペダルは漕がない。
3)平地ではスピードをあまり出さない。
4)各宿場では、本陣跡と思しき場所など、最低1カットは撮影する。

実はちょっと甲州街道をナメていたのです。

中山道で数々の峠を、ペダルを漕いで登りきったという自信が、気持ちに油断を与えてしまったのです。

人は逆境になるほどアドレナリンが放出されます

苦難なほど達成感は得られるというもので、ぜったいに体調が悪くなるとわかっているのに、前日に禁断のラーメンをおふとりさましてしまっていたのです。

日本橋をスタートして、東京駅を越えたあたりで第一波が押し寄せてきました。急いでルートを外れてコンビニへ。

東京駅をバックに撮影。この後、トイレに駆け込む。

ギリギリで間に合いましたが、腹を下しているので両脚に力が入りません。こうなることは、経験としてわかっていたのに、どうして「からいからいそば」なんて食べてしまったんだろう……。

しかし、力は入らないけれどアドレナリンが出てくると、苦境だからこそこの苦難に立ち向かおう! という気も湧いてくるものです。自分の体に爆弾を背負った旅、それもいいじゃないか〜、てな具合に。

ちなみに、旧甲州街道は、国道20号線の部分もけっこうあります。

国道20号線を走っていると、頭の中に岡村靖幸の『ミラクルジャンプ』がエンドレスで流れておりました。

「……甲州街道まっすぐ 乱暴に点滅するダイオードランプが見えてくる……だけど連日は 非現実で いやさ遠慮したい……今、少年の情念で冒険つかみとりたいぜ……いわばシャイでひきこもりの日常を返上したい……」(作詞・作曲:岡村靖幸)

以下、私の脳内での歌詞解釈。

「甲州街道をまっすぐBD-1で走るオレサマは、いままさに少年の頃に自転車旅をしていた情念そのままに、冒険してるぜ。いまこそ有休消化で引き篭もっていた日常を返上してやるぜ」

さて、問題は小仏峠でした。

それは以前、クルマで小仏峠登山口まで行ったことがあったので、分かっていたことでした。

普通に山歩き感覚で小仏峠を越えます。

小仏峠は、簡単にいうと登山コースなのです。

中山道旧道でも大井宿から御嵩宿の間で、結構厳しい未舗装路をBD-1を押して歩いたものです。距離的には、小仏峠を越えるほうが圧倒的に短い。いけそう。

で、BD-1を押して行ってしまったのです。

山登りとしては、楽なコース。しかし、自転車を押してとなるとまた別な話です。履き古したスニーカーも滑ってどうしようもないのです。

途中、BD-1に不具合が生じてそのリペアなどしていたせいもあり、小仏峠を越えて神奈川側の車道に出るまで1時間30分もかかってしまったのでした。

ポタリングはやっぱり春か秋がいいなぁ、と実感。

そして小仏峠をパスした後は、真夏の暑さにやられちゃいました。熱中症予防の町内アナウンスがスピーカーから流れてましたが、それもありなんという暑さ。

大月宿に到着したのが16時40分を過ぎていたので、笹子峠を越える頃にはナイトランになってしまいます。というわけで大月で初日は終了。

下痢、炎天下の次は雨に見舞われる

笹子峠は雨でした。靄のかかる幻想的な森にひとり。気持ちのいい時間。

2日目は、BD-1を組み立てていたときに雨が降り出し、雨の中でのスタート。笹子峠を越え、駒飼宿までの30km弱は雨の中での走行……。カメラさえ濡れなければ、雨の中のポタリングも嫌いではないのですが……。

その後は蔦木宿あたりでパラパラと雨に祟られましたが、それ以外は日差しも強くない曇り空のもとでの走行となり、無事ゴール! でもなくて、途中からはあずさの終電時間との戦いでした。

無事に制限時間いっぱいでゴール。今回も諏訪大社の入り口まで。

今回の旅のルールである「3)平地ではスピードをあまり出さない。」を無視して、体力の続く限り、ペダルを漕ぎ続けるという羽目に……。

なんとかミッションをクリアして、下諏訪駅から輪行して横浜まで帰宅することができたのでした。

ということで、東海道と中山道のレポートが終了したら、甲州街道の旅をレポートいたします。

▼中山道六十九次のBD−1旅のダイジェストはこちら

▼日光街道二十一次のBD−1旅のダイジェストはこちら

▼奥州街道二十七次のBD−1旅のダイジェストはこちら

▼東海道五十三次のBD−1旅の走行距離はこちら

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