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旅するBD-1、東海道五十三次旧道を行く──袋井宿

更新日:

BD-1は、birdy classicという名で、現在も販売中です

DAY 3 10:49_袋井宿

2015.3.25

掛川宿を抜けて、袋井バイパスと東名高速をクロスして進むと、県道253号線は田んぼのなかを突切り、のどかな風景となります。
街路樹は松の木になり、松の並木を隔てた歩道をBD-1で走ります。

きっと江戸時代はこうしたのどかな道が続いたのでしょう。

夏の暑い日など、松の木は旅人に陰で涼をもたらしてくれるのです。

そんな江戸時代に近い感覚を楽しみながら、県道253号線を西へ。
目指す袋井は、東海道中膝栗毛によると鰻とすっぽんが名物だったらしい。

東海道の真ん中で「どこがほんとの日本の真ん中なの?」と叫ぶ

しばらく行くと〈新屋〉の横断歩道を渡って左折、クルマでは通れない道が東海道旧道となります。
距離にして5m程でしょうか。クルマが通りぬできないようにポールが立ち、道を塞いでいました。

ここは自動車は通れません。徒歩の旅人のために標識がありました。

そこで「東海道五十三次 どまん中茶屋」という標識が目に入りました。

どうも日本には「真ん中」を主張するポイントがたくさんありすぎのような気がします。

栃木・佐野市(北海道から九州の中心)
群馬・渋川市(北海道から九州の中心)
千葉・銚子市(日本列島が収まる円の中心)
東京・日本橋(五街道の基点)
東京・麻布台(「日本経緯度原点」がある)
山梨・中央市(日本のほぼ中心に位置)
山梨・韮崎市(北海道から九州の中心)
長野・松本市(日本のほぼ中心に位置)
長野・塩尻市(日本のほぼ中心に位置)
長野・上松町(排他的経済水域も含めた日本の中心)
長野・飯田市(東西と南北で日本の人口を二分する)
愛知・名古屋市(中京地区の中心)
岐阜・郡上市(1980年から95年までの人口の重心地)
岐阜・関市(2000年からの人口の重心地)



と、これでもすべてではありません。
「ほぼ中心」って、かなりアバウトな主観の入ったものから、「北海道から九州の中心」って、いったいいくつあるんだ! とツッコミを入れたくなるもの、そして人口を基準にしたすぐに変わってしまう中心までさまざま。

大半の人間は、なんでも中心・中央を志向するもののようです。
自己中心的とは、あまり良い意味で使われることはないようですが……。

検索すると、この袋井も「日本の真ん中」でヒットするのですが、あくまでも日本橋と三条大橋のどちらから数えても27番目の宿場ということに過ぎません。

しかし、東海道を旅しているものとしては、「ようやく半分かぁ〜」という感慨もひとしお。
東海道の真ん中を大々的にアピールしてくれるのは嬉しい限りなのです。
5日間でゴールできる目算も立ちました。

日本一小さな歩く道の駅

袋井宿の本陣に近づくにつれて、東海道旧道は右に左に、ちょっと煩雑になります。
そして袋井宿の江戸方にあたる場所に、どまん中茶屋がありました。

右手の建物がどまん中茶屋。写真左の道の先に袋井宿本陣。

これまで通過してきた宿場にも、東海道を旅する人がひと休みする場所として、交流館などがありましたが、ここはその名も「歩く道の駅」。
道の駅がクルマを対象にしているのに対して、ここは徒歩の旅人が対象。
私は自転車のため対象外なのでスルー。というわけではなく、先を急ぐので早々に。

あと何年したら浮世絵と同じくらいの大きさに松は成長するだろう。

浮世絵ポイントは、宿場の京方にあたる場所にあります。
歩く道の駅といい、この浮世絵ポイントには高札場が復元されているだけでなく、浮世絵と同じように松も植えられています。
小さい宿場ですが、地域の方たちが現代の旅人をあたたかく迎えてくれているようです。

高札場跡には、掟書ではなく、東海道ゆかりのガイドが書かれている。

そのせいか、東海道を歩いている人達の姿がちらほら。

宿場を抜けて県道413号を西へ進むと、歩道橋が見えてきます。
徒歩の旅人はこの歩道橋を渡って旧道へと進みます。

東海道旧道ではよくある二又の道。新しくできた幹線道路を歩道橋で旅人はわたる。
見落としてしまいそうな旧道の入り口にしっかりと案内の石碑が立っている。

ここでさらに歩いている人の数がぐっと増えてきました。
そのさきの許禰神社でなにやらお祭りが催されていました。
立ち寄りたい気持ちを抑え、やはりここもスルーして先を急ぎます。

江戸の古道は、やはり急坂でした

太田川を渡り、国道1号線を右手に沿道に松が点在する道を進むと、その先に森が見えてきました。
直感的に嫌な予感……。
きっとその森は小高い丘になっていて、上り坂があるはず、なのです。

道は進むにつれて狭くなり、案の定上り坂になりました。
iPhoneの画面で見る地図では、道なき場所に東海道がルートされいます。
これはきっとBD-1では通れない山道であるに違いないと踏んでいたのですが、その道の入り口までたどり着くと、残念なことに自転車でも登っていけるように舗装されているではありませんか。

短いとはいえ、急坂はもうこりごりなのです。

しかも、急坂。

今回の旅のルールがまたも試練を与えてくれます。

旅のルールとは、自分の脚でペダルを漕いで走破すること。以上。

ただし、東海道旧道には、自転車を漕いで走れない山道や階段あもるので、そうした走行不能の区間は、迂回する(もしくは自転車を担ぐ、または押して歩く)ことにしているのです。

地図で見る限り、100mちょっと。
樹々に覆われた坂道を、ノロノロと登ると、「見付宿へ2.3km」という看板。

この坂を登りきったところが平坦地でありますように。

光があふれる坂の上を目指します。


GoProからの1枚

野趣あふれる東海道旧道。

注:〈  〉内は交差点名を表します。

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