スープは熱さも命
ラーメンのスープは、熱めの火傷しそうなほどがよい。ぬるくて許されるのは、お酒の燗ぐらいなものです。
ということで、ハートも熱いうちに、2度目の来店、そう、あの小宮です。否、あの「あの小宮」です。
今回はあざみ野駅の改札を抜けると、まっすぐお店に向かいました。オーダーは迷わず塩。比内地鶏だしを堪能するなら、あっさりの塩がよいに決まっています。
前回の「醤油らぁ麺」との違いは、スープのみでしょう。麺、シナチク、糸唐辛子にネギ、そして鶏のモモの肉巻きまで、すべて同じ。
スープ表面には、これまた鶏の油が層になって浮かんでおり、これが熱々のスープが冷めるのを防ぐ役割を担っています。
地鶏を堪能するなら、醤油より塩!(個人差あり)
ウンチクはここまでにして、さっそくおふとりさましてみましょう。
比内地鶏だしの塩らぁ麺 780円
とろ〜り半熟味玉 110円
だしは地鶏、そしてチャーシューの代わりに鶏モモ肉に肉巻きなので、ここは半熟味玉をトッピングして、親子ラーメンにしちゃいましょう。
レンゲをスープの奥に突っ込んで、鶏油とのバランスをとり、ひとくちテイスティング。柚子皮の香りとの相性は、個人的には醤油よりも上。
豚のチャーシューではなく、鶏モモの肉巻きも、塩との相性がよろしい。これはきっと、鍋と言えば水炊きをこよなく愛する文化圏に育った影響かもしれません。
もしくは、醤油ラーメンには、チャーシューという組み合わせがあまりにも普遍化しているため、醤油の時は鶏モモが脳内でうまく「美味しい」という変換に至らず、「なんか違う」という違和感の回路に繋がったためかもしれません。
その点、鶏肉はフォーを始め、カオマンガイについてくるスープも塩ベースのものに舌がなれてしまっています。個人的には焼き鳥も塩派なので、ラーメンスープも塩だと素直に「美味しい」回路に直結するのです。
ただし、ストレート麺は醤油の方が相性がよいと思うのは、これまた自分の経験に由来しているので、なんとも……。
では、トータルでどうなのかと問われれば、もう一度訪れたいくらいに美味しい。
用意されている調味料は、醤油・酢・レモン・辣油・黒胡椒。このうち、醤油・酢・辣油は、餃子に使うものとして、普段なら迷わず黒胡椒で味を調えるのに、前回の「醤油らぁ麺」の時も、調味料は一切使いませんでした。
提供された時点ですでに完成された味だということにほかなりません。
次回は、塩に黒胡椒とレモンを入れて、どんな味変になるか、それとも味噌にチャレンジするか想像しながらのおふとりさまでした。つづく。